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砂漠をゆく

さあ出発しよう。
村の風景ともしばしのお別れ。

聞こえるのは風の音と料理人ハッジのおしゃべりくらい。
あとは自分の息遣いだ。



砂丘の勾配がきついところは、らくだも「おっとっと」という感じで降りてゆく。
やわらかい砂をクッションにして、ずんずん降りていくのは楽しい。



誰もいない、道しるべもないところを迷うことなく進んでいく、らくだ使いのハミドゥ。
それでも、砂丘のかたちは風によって少しずつ、少しずつ変わっていくそうだ。



いきものたちとの出会い。
ろばは井戸で水をくむノマドのために働き、らくだはトゲだらけのアカシアの葉を食べ、スカラベは砂にふしぎな足跡をのこして消えてゆく。



予定していた今夜のねどこ場所に無事着いて、一安心のシディ。
明日越えてゆくことになる目の前の砂原も、彼にとっては自分の庭。



料理人ハッジがごはんを作る間、ハミドゥのおこした火で甘いミントティーをいただく。
こねた生地を砂に埋め、炭をかけて蒸し焼きして作る丸くて平たいパンは、ちょっと砂の味がしてどうしようもなくおいしい。



夜明け。
夜の間に放牧されてどこかへ行っていたらくだたちも、もうハミドゥが連れ戻してきた。
さあ今日もまた歩く。

# by chevani | 2008-05-21 09:00 | 風景
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